フットボール・マネーリーグ2017(2015-16シーズン)の検証4回目は20クラブ中4クラブがランク入りしたイタリア・セリエAです。

 

serie a

 

 

■ランクイン数およびチームともに変動ナシ

※[]内は前年の順位および当時の金額。レートは2017年・1月時点の平均1€=約122円で換算。内訳はチケット収入・テレビ放映権料・スポンサー料(広告など)の3部門。

 

10位ユヴェントス 416億円 [10位/421億円] チケット収入54億円、放映権料238億円、スポンサー料124億円

15位ASローマ 266億円 [16位/235億円] チケット収入36億円、放映権料187億円、スポンサー料43億円

16位ACミラン 261億円 [14位/259億円] チケット収入31億円、放映権料107億円、スポンサー料123億円

19位インテル・ミラノ 218億円 [19位/214億円] チケット収入31億円、放映権料120億円、スポンサー料67億円

 

■リーグ戦の結果を反映した変動の無いセリエA

今回のランキングも前回と同じ10位にランクインしたユヴェントスは前回増収となった放映権料収入が20億円ほど減額し、一方で前回よりも35億円の増収となったスポンサー料によって結果論であるといえランキングの順位に変動ナシという結果になりました。次回の『フットボール・マネーリーグ2018』となる2016-17シーズンではCL決勝まで勝ち進んだことでの収入増によって毎回10位から「ひとケタ順位」にランクアップすることになるのか?が注目されます。

 

そして前回のランキングで16位だったASローマが15位にランクインしました。ランクアップの要因は前回よりも大幅増収となった放映権料収入によるものでCL出場が大きいと思われます。

 

前回、『フットボール・マネーリーグ2017』ではランキング自体に大きな変動は見られなくても収入内訳では差が出るかもしれと予想しましたが、結果としてランキングではACミランが前回よりも2ランクダウンの16位となりインテル・ミラノは前回と同じ19位となりました。

また収入面は両クラブともに大きな変動は見られなかったことでも2015-16シーズンのリーグ戦も思うような成績を残せなかった状況を収入面でも表れたといえるでしょう。

 

■経営危機の予兆は可能だったのか?

そして次回の『フットボール・マネーリーグ2018』で注目したいのはACミランのランキングと収入額です。2017-18シーズンはオーナー変更に伴いユヴェントスからイタリア代表DFのボヌッチをはじめとした大補強を慣行しましたが2017年12月時点でリーグ戦では不振が続く状況となり、さらに追い打ちをかけているのがUEFAが定めるファイナンシャルフェアプレー違反に抵触する可能性も高まる経営危機が指摘されています。

『フットボール・マネーリーグ2018』のランキングと収入額によって経営危機の予兆は可能だったのか?を見極めるランキングになるかもしれません。

 

 

次回、検証シリーズはスペイン・リーガ・エスパニョーラです。

 

 

フットボール・マネーリーグ2017(2015-16シーズン)の検証3回目は20クラブの中3クラブがランク入りしたドイツ・ブンデスリーガです。

 

bundesliga

 

■収入面で一歩抜き出るバイエルン・ミュンヘン

※[]内は前年の順位および当時の金額。 レートは2017年・1月時点の平均1€=約122円で換算。内訳はチケット収入・テレビ放映権料・スポンサー料(広告など)の3部門。

 

4位バイエルン・ミュンヘン 722億円 [5位/616億円] チケット収入124億円、放映権料180億円、スポンサー料418億円

11位ボルシア・ドルトムンド(GER) 346億円 [11位/364億円] チケット収入75億円、放映権料100億円、スポンサー料171億円

14位シャルケ04(GER) 273億円 [13位/286億円] チケット収入62億円、放映権料91億円、スポンサー料120億円

 

■リーグ戦の成績を反映

前回のランキングで大きく減収となったバイエルン・ミュンヘンでしたが今回は3部門ともに「増収」となり、特に前回ランクダウンの要因となったスポンサー料が50億円増となったことがランクアップに繋がったと言えるでしょう。

それに対してボルシア・ドルトムンドはランキングは前年と同順位とはいえ3部門ともに「減収」とバイエルン・ミュンヘンとは対照的な結果となりました。前回は1ランクアップしたシャルケも今回は減収が目立ったことによってランキングも再び1ランクダウンとなりました。

今回のランキングとして大きな特徴といえるのはバイエルン・ミュンヘンの大幅増収が際立ったといえます。その一方で今回も“代わり映えが無かった”ドルトムンドとシャルケと収入面でもバイエルン・ミュンヘンに独走を許すリーグ戦を表わしていると言えます。

 

■ブンデスリーガの新たなる勢力

前回で予想したように今回のランキングに関しては大きな変化は見られませんでした。次回の『フットボールマネーリーグ2018』となる2016-17シーズンもバイエルン・ミュンヘンの独走状態が確実であることやランキングの常連となっているドルトムンドとシャルケに関しても変化がみられないと予想します。

 

あえて言うのであれば、次回の『フットボールマネーリーグ2018』にトップ20以内にランクインするかは未知数ではあるもの2016-17シーズンのブンデスリーガで昇格1年目として2位となった『RBライプツィヒ』の収入面動向でしょう。

 

 

規則抵触の回避のためチーム名にある「RB」をRasenBallsport(直訳すると「芝生球技」)をクラブ名としていますが、オーストリアの飲料メーカー『レッドブル』が表向きはスポンサーとして一部保有権を持つ形を取ってはいますが事実上は『レッドブル』が運営するクラブであることでも今後も注目するべきクラブだと言えます。

 

次回はイタリア・セリエAです。

 

 

フットボール・マネーリーグ2017(2015-16シーズン)の検証2回目は20クラブの中7クラブがランク入りしたイングランド・プレミアリーグです。

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■前回より1クラブ減も変わらずの最多ランクインクラブ数

※[]内は前年の順位および当時の金額。 レートは2017年・1月時点の平均1€=約122円で換算で換算。内訳はチケット収入・テレビ放映権料・スポンサー料(広告など)の3部門。

 

1位マンチェスター・ユナイテッド 840億円 [3位/675億円] チケット収入168億円、放映権料229億円、スポンサー料443億円

5位マンチェスター・シティ 640億円 [6位/602億円] チケット収入86億円、放映権料263億円、スポンサー料291億円

7位アーセナル 571億円 [7位/566億円] チケット収入163億円、放映権料234億円、スポンサー料174億円

8位チェルシー 546億円 [8位/546億円] チケット収入115億円、放映権料233億円、スポンサー料198億円

9位リヴァプール 492億円 [9位/509億円] チケット収入93億円、放映権料205億円、スポンサー料194億円

12位トッテナム・ホットスパー 341億円 [12位/335億円] チケット収入67億円、放映権料180億円、スポンサー料94億円

18位ウエストハム・ユナイテッド 234億円 [ 20位/209億円] チケット収入44億円、放映権料141億円、スポンサー料49億円

20位レスター・シティ(ENG):210億円 [ランク外/参考・178億円] チケット収入20億円、放映権料154億円、スポンサー料36億円

 

■フットボール・マネーリーグトップの要因はスポンサー収入

これまでフットボール・マネーリーグのトップに君臨していたレアル・マドリーを前回3位だったマンチェスター・ユナイテッドが退けてトップになったことがフットボール・マネーリーグ2017最大の変動でした。2015-16シーズンは久しぶりにチャンピオンズリーグ出場を果たしたことでチケット収入と放映権料が前回と比較して大幅増になったことに加えて、前回よりも約100億円ほど増収となったスポンサー料がフットボール・マネーリーグのトップとなった要因になりました。

他にランクインしたクラブを見ると6位マンチェスター・シティ、7位アーセナル、8位チェルシー、9位リヴァプール、12位トッテナム・ホットスパーまでは揃って前回と同じ順位でのランクインとなり、3部門の収入推移を見ても大きな変動が無かったことが結果的に前回と同順位に繋がったといえます。また前回20位にランクインしたしたウエストハム・ユナイテッドについて「次回のランキングでさらにランクアップするかもしれません」と触れたように旧UEFAカップから10シーズン振りとなるヨーロッパリーグ出場を果たしたことでの18位となりました。

 

■最大のサプライズとなったプレミアリーグ初優勝を果たしたレスターシティ

そして「最大のサプライズ」として大きな話題をさらい下馬評を大きく覆す2015-16シーズンのプレミアリーグ初優勝を果たしたレスター・シティが20位にランクインしました。

 

 

ランクイン入りした大きな要因としてはリーグ戦での快進撃によるチケット収入とスポンサー料の増収に加え、プレミアリーグ優勝を果たしたことでの分配金を含めた放映権料による収入増が大きいと思われます。しかしながら2016-17シーズンはチャンピオンズリーグ出場とベスト8入りによる収入増は見込めるものリーグ戦では不振を極める低迷が続いたことによって次回のフットボール・マネーリーグ2018にランクインするのかは不透明であるといえます。

 

次回はドイツ・ブンデスリーガです。

 

 

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