フットボール・マネーリーグ2016(2014-15シーズン)の検証3回目は20クラブの中3クラブがランク入りしたドイツ・ブンデスリーガです。
■3クラブともに前年同様の収入額
※[]内は前年の順位および当時の金額。 レートは2016年・1月時点の平均1€=約130円で換算。内訳はチケット収入・テレビ放映権料・スポンサー料(広告など)の3部門。
5位バイエルン・ミュンヘン 616億円 [3位/658億円] チケット収入116億円、放映権料138億円、スポンサー料362億円
11位ボルシア・ドルトムンド(GER):364億円 [11位/353億円] チケット収入70億円、放映権料107億円、スポンサー料187億円
13位シャルケ04(GER):286億円 [14位/288億円] チケット収入52億円、放映権料94億円、スポンサー料140億円
■変化の無さは健全経営の証
前回から2ランクダウンとなったバイエルン・ミュンヘンに関しては内訳を比較すると前年よりスポンサー料が30億円ほど減収したことがランキングに影響を及ぼしたと見られます。
そしてボルシア・ドルトムンドは前年と同様にチケット収入と放映権料は大きな変化は見られませんでしたがスポンサー料については前シーズンからさらに20億円ほどの増収となり、また前回から1ランクアップしたシャルケは3部門ともほとんど変化が見られませんでした。
2ランクダウンとなったバイエルン・ミュンヘンを除く2クラブに共通するのは、共にランキングが示すように大きな変動がなかったことであり、悪く言えば「無難な運営」を行っているだけということになりますが、よく言えば“損失を最小限に抑えた健全経営”を行っていることを証明したと言えます。
■プレミアリーグを意識した新契約
今回のランキングでも「健全運営」を心がけていることを証明したブンデスリーガの3クラブということになりますが、それによって思うような収入増にも繋がっていない印象を受けます。しかし2016年6月9日にブンデスリーガを運営するDFL(ドイツフットボールリーグ)が、2017-18シーズンからのテレビ放映権料契約を向こう4シーズンで総額46億4,000万ユーロ(約5,330億円)となる新たに締結したことを発表しました。
これは2013-14シーズンから結ばれている現行のものに比べると約1.85倍となることで変更点としては現在、ブンデスリーガ全試合を中継している大手メディア『Sky』がメインパートナーであることは変わらずに2017-18シーズン以降も務めることになりますが、新契約ではひつとにWebサービス会社『Amazon』がインターネットラジオでの中継を始め、もうひつとはブンデスリーガ1部の金曜開催試合(シーズン開幕戦とリーグ後半戦開幕戦を除く)、日曜開催の5試合、新たに導入される月曜開催の5試合、そして1部2部入れ替え戦などの放映権をスポーツ専門放送局『ユーロスポーツ』が獲得したことが大きな変更点となりました。
新たなテレビ放映権料契約結んだ裏側には、2014-15シーズン時のブンデスリーガのテレビ放映権料が8億3,000万ユーロ(約955億円)に対してイングランド・プレミアリーグは23億ユーロ(約2,645億円)と約2.7倍近くの差をつけられています。
収入面での欧州リーグトップを独走するプレミアリーグに追い付こうと、これまでの健全運営から攻勢を仕掛けたブンデスリーガの意気込みと言えるでしょう。しかし次回の『フットボールマネーリーグ2017(2015-16シーズン)』では今回と同様な結果になることが予想されますが、それ以降からは大きな変化が見られるかもしれません。
次回はイタリア・セリエAです。
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