フットボール・マネーリーグ2015(2013-14シーズン)の検証3回目は20クラブの中3クラブがランクインしたドイツ・ブンデスリーガです。
■「健全経営」の成果を表した安定収入
※[]内は前年の順位および当時の金額。 レートは2015年・2月時点の1€=約135円で換算。内訳はチケット収入・テレビ放映権料・スポンサー料(広告など)の3部門。
3位バイエルン・ミュンヘン 658億円 [3位/603億円] チケット収入119億円、放映権料145億円、スポンサー料394億円
11位ボルシア・ドルトムンド 353億円 [11位/358億円] チケット収入76億円、放映権料110億円、スポンサー料167億円
14位シャルケ04 288億円 [13位/277億円] チケット収入56億円、放映権料92億円、スポンサー料140億円
■損失を抑えるクラブ運営
前回と同じ順位となったバイエルン・ミュンヘンとボルシア・ドルトムンドに関しては、チケット収入と放映権料は大きな変化は見られなかったもの前シーズンにチャンピオンズリーグ・ファイナルで対戦したことによる影響もありスポンサー料は前シーズンより増収となりました。
そして前回よりも1ランクダウンしたシャルケについてもリーグ戦3位と毎シーズン安定した成績を残していることでスポンサー収入の安定にも繋がっていると見られ、ランクインした3クラブに共通するのは損失を最小限に抑えるクラブ運営を行っていることです。
■収入額の傾向を示す観客動員数
安定したクラブ運営を可能にしているのが、プレミアリーグをしのぐとさえ言われるブンデスリーガの平均観客動員数でしょう。
チケット収入のみを比較するとブンデスリーガよりもプレミアリーグが上回ってますが、2008-09のチケット平均価格を比較するとブンデスリーガは2,320円、一方のプレミアリーグは4,800円と2倍ほどの差があり現在もチケット高騰が批判されているプレミアリーグとの平均価格差は広がっていると思われます。
特にブンデスリーガの平均観客動員数1位を誇るボルシア・ドルトムンドは、ホームスタジアム『ヴェストファーレンシュタディオン』の象徴である「黄色い壁」と言われる22,000人収容のホームゴール裏スタンドの立ち見席はブンデスリーガの平均価格ほどの値段であり、収入額と観客動員数が比例しないことを意味します。
ランクインした3クラブを含めてブンデスリーガの各クラブにとっては、平均観客動員数と直結するチケット収入から放映権料とスポンサー料の増額に繋がっているとも言えるのです。
次回は4クラブがランクインしたイタリア・セリエAです。
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