これからのレポート内容についてでお知らせした通り、これからサッカービジネスレポートファイルでは、サッカーに関した職業や就職・転職情報をレポートしていきますが、まずはサッカークラブの職種からゼネラルマネージャーを取り上げます。
一般的にクラブチームの運営に関わる人々を「球団職員」や「フロント」など総称して呼びますが、そのフロントにも様々なセクションが存在します。
最もイメージされるのが、主に選手獲得などを行う「強化部」でしょう。各クラブによってその強化部を取り仕切るのが『ゼネラルマネージャー』(以下・GM)です。
GMはスポーツ大国であるアメリカのプロスポーツでは重要な役職であり、チームの戦力とされるほどのポジションです。その仕事内容はチームによって異なることもありますが、人事や営業などのチーム運営を取り仕切り、球団経営の総責任者になります。一般的にはチームの強化・補強、球場運営、マスコミへの広報活動などを行い、球団全体を管理します。特に重要な仕事はチームの強化・補強で、いかに実力のある選手やコーチを集め、有能な監督を呼び寄せるかでチーム力が決定することになります。
欧州サッカークラブでは実務的にクラブの経営を仕切っていますが、ほとんどのクラブでは実質的な権限をオーナーが握っている場合が多い事から重要な場合においてはオーナー自身がクラブの重要な意思決定を下している現状です。なお、各クラブによっては名称がスポーツディレクターや強化ディレクターなどと呼ぶ場合もあります。
JリーグではGM職を設置しているクラブは14クラブほどで、その他のクラブでは強化部長と呼ばれる存在であり、Jリーグも1999年に「クラブマネジメント」「マーケティング」「チームマネジメント」の三つのカリキュラムで構成されるゼネラルマネージャー講座を開設し、国内外から大学教授・研究者・強豪海外クラブのGMを講師として招いて組織的なGMの養成を行っています。
サッカー業界で知名度が高いJリーグクラブのGMには、柏レイソルと清水エスパルスで強化部長を務め、名古屋グランパス初のGMに就任した久米 一正氏。
2007年に当時リーグ・アン所属のグルノーブル・フット38のGMを務め、2010年に京都サンガFCのGMに就任した祖母井(うばがい)秀隆氏。
などがいます。今後、全てのJリーグクラブにGMが設置されるようになるでしょう。また、このGMこそ現場での経験と併せ、クラブ運営など全てにおいてのマネジメント能力が問われる職種といえます。
※参考文献『愛するサッカーを仕事にする本』(アスペクト)
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