サッカーの仕事・クラブスタッフ | サッカービジネス レポートファイルのブログ記事

サッカークラブの練習場やスタジアムの芝生の手入れを行うのがグラウンドキーパーです。グラウンドキーパーはグラウンドの芝生を管理する人のことを言い、正確にはクラブに雇用されるのではなく、クラブから委託を受けた造園業者などに勤務することがほとんどです。

 

グラウンドキーパーの業務は、まず朝早く練習場の芝の状態を観察することから始まり、その日の状態により水を撒き、芝刈りや施肥、エアレーション(芝生に穴を開けて新鮮な空気を土中に送り込む作業)などを行い、雨で芝生の手入れが出来ない日には芝刈り機などの機械のメンテナンスを行います。

 

試合が行われるスタジアムでは、芝刈りと共にライン引きも行います。そして試合中は芝の状態を観察し、プレーによって穴が開いていないか、めくれ上がった部分ができないかと常にチェックをし、前半で芝がはがれた箇所が出た場合にはハーフタイムにはがれた箇所を直すなど、 試合内容よりも芝の状態を常に意識することになります。

 

一見、グラウンドキーパーの業務はほとんど同じ作業の繰り返しのように見えるかもしれませんが、しかし、雨の量・気温・季節など環境は日々変化しますので、 芝や土壌の知識は当然重要になりますが、どんな状況になっても対応できる経験力が何よりも重要な仕事といえるでしょう。

 

あるグラウンドキーパーは選手から感謝の言葉をかけてもらえるなど、プレーしている選手や監督・スタッフに満足してもらう事がグラウンドキーパーとしての喜びだと言います。

グラウンドキーパーになるには、芝生のことなどを学べるスクールに行くことも重要ですが、必要な知識や経験は現場で培なわれます。そして何より最も大切な事が芝生に対する愛情と情熱になります。

 

※参考文献『愛するサッカーを仕事にする本』(アスペクト)

 

 

日本のクラブに活躍の場を求めてやってきた外国籍選手にとってプライベートや精神的な面でサポートしてるれる心強い存在が『通訳』です。

 

通訳というと辞書などに載っている言葉を翻訳しそれを伝えるだけのイメージを持たれるかもしれませんが、通訳にとって最も必要なことは「日本と通訳する選手の国」双方の文化を理解することです。

双方の文化を理解することにより、それぞれの表現を伝えることが可能となります。それに加えてサッカーの場合には、サッカーに関する知識または経験も必要となるのです。

そのことを証明する人物が、日本代表監督・アルベルト・ザッケローニの通訳を務める矢野大輔氏です。

 

矢野氏は15歳でイタリアにサッカー留学してトリノの下部組織でプレーした経験を持ち、その後イタリアのマネジメント会社に入ったことで通訳のキャリアを開始することになり、2006年当時、ザッケローニが監督だったセリエA・トリノに移籍した元日本代表・FW大黒将志の通訳を務めます。

矢野氏の通訳は監督の意図することを的確に訳して選手に伝え、時には自信の判断で分かりやすい表現で伝えるなどイタリアの文化とサッカーを熟知しているからこそ、監督と選手のコミュニケーションを円滑にすることが可能となるのです。

 

そして、サッカー界で通訳から監督となった人物といえば「ジョゼ・モウリーニョ」でしょう。

 

モウリーニョは、サッカー選手を志していましたが故障によりすぐに選手生活に見切りをつけたことでプロのキャリアはなく、その後は指導者の道を目指して語学を学び、ボビー・ロブソンがスポルティング・リスボンの監督就任と共に通訳としてスタッフ入りします。

それ以降ロブソンの信頼を得てポルト、バルセロナといったクラブを渡り歩き2000-01シーズンにベンフィカの監督に就任し監督のキャリアをスタートさせます。

そしてモウリーニョの評価を上げることになった2003-04シーズンに監督を務めていたポルトでチャンピオンズリーグ制覇を成し遂げ、その後チェルシー、インテル・ミラノ、レアル・マドリーなど名門クラブの監督となり、通訳から監督になった先駆者の地位を築いたといっても過言ではありません。

日本でも三浦俊也氏などサッカー経験の無い監督経験者もいますが、日本サッカーからもモウリーニョのような通訳から監督になる人材が現れる可能性は決してゼロではありません。

 

※参考文献『愛するサッカーを仕事にする本』(アスペクト)

 

 

サッカークラブに関する情報を世間に発信することを主な業務としているのが『広報』です。

 

その業務は、メディアの取材調整・原稿確認・公式ホームページの更新・マッチデープログラムの編集などを行います。

スクール希望者募集を告知する東京ヴェルディ・公式ホームページ

 

クラブとマスコミの仲介という立場であることから、選手とメディアとのインタビュー取材時には同席して記事内容に関し、お互いの意向が通じ合っているのかを常に確認しなければならないという難しさもあります。

 

クラブで最もメディアとやり取りを行う特異な立場となりますが、自身の行動によって、クラブを通じファンやサポーターにサッカーの情報を発信し、サッカーの魅力を伝えることが出来る業務です。

 

※参考文献『愛するサッカーを仕事にする本』(アスペクト)

 

 

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