このほどFIFA(国際サッカー連盟)は2013年の決算が7,200万ドル(約74億円)の黒字であったことを明らかにし、そして、2014年ワールドカップ(以下・W杯)に向けたテレビ放映権販売なども好調で13億8,600万ドル(約1,400億円)の増収になっていることを欧州メディアも報じています。
■最大の収入源・高騰するテレビ放映権料
FIFAがW杯で得られる収入源には、サッカークラブと同様にチケット料・スポンサー契約料・テレビ放映権料の3部門となりますが、その割合の多くを占めているのがテレビ放映権料です。
それに関して、サッカー専門誌『週刊サッカーダイジェスト』に掲載された記事によると
「ワールドカップにおけるFIFAの収益の約半分を占めるのがテレビ放映権料だ。放映権は10年大会からFIFAマーケティングTV社が販売。その額は02年大会から急騰し、今回は約2000億円に膨らむと予想される。また日本国内での放映権料も高騰。98年大会では6億円だったが、日韓大会で総額200億円に跳ね上がった。今大会は金額が高騰した末にスカパー! が中継を断念。NHKと民放は引き続き放送を行なう。」
(『週刊サッカーダイジェスト』2014年5月13日号より抜粋)
とあるように2002年の日韓大会から総額1,100億円と一気に上がり、2014年ブラジル大会では2,000億円まで高騰したW杯のテレビ放映権料がFIFAにとって重要な収益源となっています。
■W杯から得られる安定したスポンサー収入
それに次ぐスポンサー契約料では、先ごろクレジットカード大手『Visa』やスポーツ用品メーカー『アディダス』の両社とそれぞれW杯公式パートナー契約を更新を行い、FIFA財政委員会のトップであるフリオ・グロンドーナ氏も「今後も数年にわたり我々の財務が安定を保つことが見込めるよい兆候」と発言しています。
このスポンサー契約料に関しても『週刊サッカーダイジェスト』によれば
「ワールドカップのスポンサーシップには、1.FIFAパートナー(FIFAが開催する全大会が対象)、2.ワールドカップ・スポンサー、3.ナショナル・サポーター(権利は開催国限定)の3タイプがある。原則として今大会は10年大会とのパッケージ販売となっており、1大会あたりの契約料は、FIFAパートナーが推定約170億円、ワールドカップ・スポンサーが約90億円、ナショナル・サポーターが約45億円となっている」
(『週刊サッカーダイジェスト』2014年5月13日号より抜粋)
魅力ある“W杯コンテンツ”がある限りFIFAは安定したスポンサー収入を得られるという自信があるということなのでしょう。
また、昨年12月にFIFAが発表した2014年W杯の賞金総額は5億7,600万ドル(約587億円)であるとし、優勝チームには賞金3,500万ドル(約35億7,000万円)と前大会の3000万ドル(当時・約28億2,000万円)より500万ドル増額されました。
他に2位は2,500万ドル(約26億円)、3位は2200万ドル(約22億円)、4位は2,000万ドル(約20億円)となり、グループリーグ敗退でも800万ドル(約8億円)が支払われ、そして参加全32チームには準備費用として150万ドル(約1億5,000万円)が一律に、そして出場選手の各所属クラブには総額7000万ドル(約71億4,000万円)の補償金が支払われます。
■2014年の決算額はどこまで増えるのか?
このように賞金総額をはじめとしたW杯の運営に掛かる経費の支出を差し引いても、FIFAはテレビ放映権料やスポンサー収入から大きな収益をW杯で得ていることになります。
コンフェデレーションズカップが開催された2013年の7,200万ドルの決算から2014年の決算でFIFAの黒字額は、どのくらい増えているのでしょうか。