ドイツ・ブンデスリーガ | サッカービジネス レポートファイル - Part 2のブログ記事

フットボール・マネーリーグ2014(2012-13シーズン)の検証3回目は20クラブのうち4クラブがランクインしたドイツ・ブンデスリーガです。

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■順調に収入を増やすブンデスリーガ

※[]内は前年の順位および収入額、 レートは2014年・2月時点の1€=約140円で換算。内訳はチケット収入・テレビ放映権料・スポンサー料(広告など)の3部門。

3位バイエルン・ミュンヘン 603億円 [4位/437億円] チケット収入121億円、放映権料150億円、スポンサー料332億円

11位ボルシア・ドルトムンド 358億円 [11位/224億円] チケット収入84億円、放映権料122億円、スポンサー料152億円

13位シャルケ04 277億円 [14位/207億円] チケット収入59億円、放映権料88億円、スポンサー料130億円

17位ハンブルガーSV 189億円 [18位/143億円] チケット収入60億円、放映権料35億円、スポンサー料94億円

 

■CLファイナリストの2クラブが収入増

前回の4位から3位に順位を上げたバイエルン・ミュンヘンは、前回200億円を突破したスポンサー収入が300億円越えを果たし、2012-13シーズンはリーグ優勝とチャンピオンズリーグ制覇を果たしたことでテレビ放映権料が増えたことが3位に押し上げた要因となりました。

そのバイエルン・ミュンヘンとチャンピオンズリーグ決勝で対戦したボルシア・ドルトムンドもスポンサー収入も増やし、 テレビ放映権料も100億円を越すなどチームの成績と同様に運営面も充実したシーズンとなりました。

 

■低迷のHSV(ハー・エス・ファウ)がランクインした理由

13位のシャルケは前回の14位からひとつ順位を上げ、バイエルンとドルトムンドと同様にスポンサー収入と放映権料収入を伸ばしています。

そして17位のハンブルガーSVは前回の18位からひとつ順位を上げましたが、近年はリーグ戦で思うような結果が出ないハンブルガーSVがどのように収入が増えたのか?に関してフットボールマネーリーグによれば特にスポンサー収入が伸びており、ユニフォーム胸スポンサーの『エミレーツ航空』と2011年からホームスタジアム『イムテック・アレーナ』のネーミングライツを取得したオランダ企業『イムテック』からの収入の影響が大きいとしています。

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しかし2013-14シーズンにはリーグ戦を16位で終え、昇格プレーオフを制して1部残留を果たすなど、低迷の影響が懸念されるところでしょう。

 

次回は4クラブがランクインしたイタリア・セリエAです。

 

 

ドイツ・ブンデスリーガ1部のバイエルン・ミュンヘンが13日に行われた年次株主総会で2012-13シーズンにクラブ史上最高となる売上高を記録したことを発表しました。

 

2012-13シーズンでバイエルンは、欧州チャンピオンズリーグ・ブンデスリーガ1部・ドイツカップで優勝して初めて三冠達成の快挙を成し遂げるなど大きな躍進を遂げたシーズンであったことが、同時に売り上げにも反映されたことになります。

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クラブの発表によると本拠地『アリアンツ・アレーナ・スタジアム』の経営なども含む営業利益は11%増の9,560万ユーロ(約127億円)で純利益は30%増の1,400万ユーロ(約18億円)でした。また、株主にも825万ユーロ(約11億円・株券ごとに30セント)の配当が行われるとのこと。

これによりバイエルンは、総売上高で過去最高となる4億3,280万ユーロ(約575億円)を達成し、これまで4億ユーロ相当以上の収益を記録したのはマンチェスター・ユナイテッド・レアル・マドリー・FCバルセロナの3クラブのみでしたが、今回の株主総会での発表により新たにバイエルンも加わったことになります。

 

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総会で代表取締役社長のカール=ハインツ・ルンメニゲは「本当に素晴しい。これこそ、われわれが目指していたもの。チームは飛ぶ鳥を落とす勢いで、クラブも黒字経営。言うことなしだ」と喜びをあらわにしています。

 

4億ユーロ以上をすでに達成したマンチェスター・ユナイテッド・レアル・マドリー・FCバルセロナは純利益でもバイエルンを上回っていますが、しかしこの3クラブよりもバイエルンは大きなアドバンテージがあります。

それは負債が無いことに尽きます。それはマンチェスター・ユナイテッド・レアル・マドリー・FCバルセロナのいずれも100億単位の負債を抱えており、一方のバイエルンは高額な選手獲得などもほとんど行わず、地道なクラブ経営を行ってきた結果が負債を抱えずにいることを証明しています。

負債を生み出さずに売上高4億ユーロ超えを達成したバイエルンが事実上クラブ運営のトップでしょう。

 

 

このほどイギリスの通信社『ロイター通信』が14日にドイツ1部のブンデスリーガとアメリカの大手メディア『21世紀フォックス』が5年間の放映契約を締結し、発表したことを報じました。

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これについてドイツ・サッカーリーグ(DFL)のクリスチャン・シーファート最高経営責任者(CEO)も声明を発表し、「今回の契約はスポーツビジネス界においてブンデスリーガがメディアにより一流コンテンツと認められた証拠」とコメントしました。

また、「グローバルパートナーである21世紀フォックスとの協力関係は、ドイツのプロサッカーに世界中での幅広い発展と成長の可能性を与えてくれるだろう」と21世紀フォックスとの契約に期待していることも付け加えています。

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契約は2015─16年シーズンからとなり、ドイツ1部と2部の試合が北米と中南米諸国のすべての国をはじめ、日本・インドネシアやタイを含むアジアの大半の国に放映され、さらにはイタリア・オランダ・ベルギーでも2015─16年シーズン、2016─17年シーズンの試合が放映される予定とのことです。

 

ロイター通信によれば、21世紀フォックスとの放映契約は世界中でブンデスリーガの知名度をさらに高める事とイングランド・プレミアリーグやスペイン・リーガエスパニョーラとの差を縮めることが目標とみられるとしていますが、特にアジア向けに積極的なマーケティングを行っているプレミアリーグを意識しているのは間違いありません。

サッカーでの観客動員数世界一となったブンデスリーガも、その市場規模を世界規模に向け始めたということでしょう。

 

 

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